スチールラックを中心に収納用品を販売している店長として、日頃から「防災グッズって、どこに置けばいいの?」というご相談をよくいただきます。
防災グッズは“あるだけ”では不十分で、「すぐに取り出せる収納」になっていないと、いざという時に役立ちません。限られたスペースの中で、どう工夫して備えるかが大切です。
そこでこの記事では、備蓄用・持ち出し用に分けた収納の考え方から、スチールラックや収納ボックスを使った安全で実用的な配置アイデアまで、整理収納アドバイザーへのヒアリングも行いながらまとめました。読み終えたときには、「うちもここに置いてみよう」と思える防災収納のヒントが見つかるはずです。
この機会に、ご家庭の防災グッズ収納を見直してみませんか?
◆◆実際に使った収納アイテムもご紹介しています。下記の「ふたなしボックス」や「つっぱりラック」から、安全で使いやすい防災収納づくりのヒントを見つけてください。
目次
防災グッズは備蓄用と持ち出し用に分ける
災害への備えで大切なのは、「備蓄用」と「持ち出し用」の2種類に分けて準備すること。自宅で過ごすための備蓄用防災グッズと、避難時にすぐ持ち出せる持ち出し用防災グッズでは、収納場所や管理方法も異なります。
ここでは、それぞれを使いやすく安全に保管できる収納方法と置き場所の考え方を紹介します。
・備蓄用防災グッズ:自宅での待機生活を想定し、食料や飲料水、生活必需品などを数日〜1週間分まとめて備えておくもの。
・持ち出し用防災グッズ:地震や火災などで避難が必要になった場合に、すぐに持ち出せるようリュックなどにまとめておくもの。
備蓄用防災グッズの収納アイテム
まずは、自宅で過ごすための“備蓄用防災グッズ”の収納方法を見ていきましょう。
自宅に大きな損害はなく、地震や台風がおさまったものの、電気・ガス・水道などのライフラインが途絶えてしまうことがあります。また、道路の寸断や他地域での大規模な被害などにより、しばらく自宅待機で避難生活を送らざるを得ないケースも少なくありません。
こうした状況に備えるためには、備蓄用の防災グッズと、食料や飲料を含めた日常生活を支えるアイテムをしっかり用意しておくことが大切です。
- 懐中電灯、電池、ランタン、カセットコンロ、ラジオなど、電気やガスの代用となるもの
- 薬、おむつ、タオル、ティッシュ、トイレットペーパーなどの衛生用品
- 命をつなぐ食料(非常食)や飲料
食料や飲料は「家族の人数×3日〜1週間分」が目安とされてきましたが、近年の災害の規模やライフラインの復旧状況を考えると、1か月分程度の備蓄が理想的です。
レトルト食品や缶詰は1〜3年ほど、非常食専用の食品なら5年ほど保存できるものもあるため、多めにストックしておくことがポイントです。賞味期限が近づいたら普段の食事で消費し、買い足していく「ローリングストック法」を実践しましょう。
では、こうした備蓄用防災グッズや食料の収納場所はなにが最適なのでしょうか?次に、おすすめの収納方法をご紹介します。
災害時の備蓄品管理におすすめのコンテナボックス
備蓄用の防災グッズを収納するなら、コンテナボックスがおすすめです。地震の直後は家具が倒れたり、家電や棚が移動したりすることがあります。
さらに、窓ガラスが割れて破片が飛び散る危険も。防災グッズが家具の下敷きになったり、ガラス片をかぶったりすると、いざというときに使えなくなるおそれがあります。
そんなトラブルを防ぐためにも、防災グッズや食料は頑丈なコンテナボックスに収納しておくのが安心です。衝撃に強く壊れにくい素材を選べば、長期間の保管にも適しています。
さらに、中身のごちゃごちゃを隠せるのも嬉しいポイント。見た目もすっきり整います。
災害時の備蓄品を出し入れしやすい!ふたなし収納ボックス
【ふたの有無】
頻繁に出し入れする場合は、ふたなしの収納ボックスがおすすめです。ふたがない分、中身がすぐ確認でき、日常的なローリングストック(備蓄の入れ替え)がしやすくなります。※ただし、家具の転倒やガラス片の飛散があると中身を保護しにくいため、丈夫な棚やクローゼットの中など、直射日光が当たらない場所に置くようにしましょう。
【重さ】
ふたなしボックスの中でも、軽くて丈夫なタイプを選ぶと安心です。中身を守りながら、非常時の持ち出しもしやすくなります。
【サイズ】
現在の備蓄量が無理なく収まるサイズを選ぶことが大切です。実際に収納してみて使い勝手を確かめながら、必要に応じてサイズや数を調整していきましょう。買い足しができるように、積み重ねられるものや畳めるタイプを選んでおくと、省スペースで柔軟に対応できます。
収納ボックスを安全に保管するには、スチールラックを使った収納がおすすめです。あれもこれもと詰め込みがちな防災グッズも、ラックを使って整理整頓をすればスッキリ片付き重ばりません。
中でもおすすめなのが、つっぱり式のスチールラック。天井と床でしっかり固定できるため、地震の揺れによる転倒を防ぎやすく、安全性が高いのが特徴です。
重い防災用品を下段、軽いものを上段に分けて収納すれば、安定感もさらにアップします。
持ち出し用防災グッズを上手に収納!必要な持ち出し品と収納のコツ
自宅が損傷するなど、生活を続けることが難しい場合には、安全な場所へ避難する備えが必要です。その際に欠かせないのが、持ち出し用の防災グッズです。まずは「命を守るために必要なもの」を優先して準備し、それ以外のものは避難所での支援を受ける前提で考えるのがおすすめです。
また、実際の被災地の様子を参考にしながら、避難所では手に入りにくいものをあらかじめ加えておくと安心です。ここからは、そんな持ち出し用防災グッズを安全・便利に収納するためのおすすめ収納アイテムをご紹介します。
【おすすめ収納方法①】緊急持ち出し袋
緊急持ち出し袋の内容を定期的に確認し、家族の構成やライフスタイルに合った防災グッズをそろえることが大切です。まずは基本の緊急持ち出し袋を購入し、その中身をチェックしましょう。
中には家族の人数や年齢、健康状態によって必要なものが不足している場合もあります。たとえば、小さなお子さまや高齢の方がいるご家庭では、常備薬やおむつ、介護用品、持病に必要な医薬品などを追加で準備しておくと安心です。
こうした家族それぞれのニーズに合わせて備品を追加し、定期的に中身を見直すことで、いざというときに安心して持ち出せる防災対策が整います。
【おすすめ収納方法②】市販のリュック
持ち出し用の袋は、背負えるリュックタイプがベストです。両手が空くので、転倒時には手をついて身を守れるほか、子どもや高齢者の手を引いたり、ペットを抱きかかえて避難したりと、柔軟に行動できます。また、余震などで転倒した際にも、リュックが頭を守るクッション代わりになります。
リュックのサイズは、必要最小限のアイテムを収納できるサイズであまり重すぎず、大きすぎないものを選びましょう。
備蓄用防災グッズの収納は数ヶ所に分散させる
災害時は家具の転倒やガラスの破損などで、防災グッズが取り出せなくなる可能性もあります。そのため、備蓄用の防災グッズは1か所にまとめず、安全な複数の場所に分散して収納しておくことが大切です。
万が一家の中に閉じ込められても、手の届く範囲に飲料や非常食があれば、救助を待つ間の時間をしのぐことができます。
以下では、おすすめの収納場所をご紹介します。
【おすすめ収納場所①】クローゼットは防災グッズ収納の定番!

クローゼットは防災グッズ収納の定番です。直射日光が当たらず温度変化も少ないため、非常食や電池などの劣化を防げる点がメリット。普段使わない奥のスペースを活用し、ボックスごとにラベルを貼っておくと、いざという時もすぐに取り出せます。
【おすすめ収納場所②】防災グッズはパントリーでまとめて備蓄!
家が倒壊するなどの大きな被害がない限り、パントリーは崩れる心配が少なく安心な収納場所です。
さらに、大容量のスペースを確保できるため、備蓄用の防災グッズをまとめて管理するのに最適。飲料水や非常食、紙類、乾電池などをジャンル別に分けて収納すれば、必要なときにすぐ取り出せます。
また、賞味期限や使用期限をラベルで管理し、日常の買い替えサイクルの中でローリングストックを実践すると、備えを無理なく維持できます。
【おすすめ収納場所③】防災グッズはリビングにも収納しておくと安心!
リビングは家族が集まる中心スペース。防災リュックや懐中電灯など“すぐ使いたいもの”をまとめておく場所としてもおすすめです。
棚の下段やテレビボードの一角にコンパクトにまとめておくと、災害時も家族全員がアクセスしやすくなります。
【おすすめ収納場所④】玄関は防災グッズ収納のベストスポット!
玄関は防災グッズの収納場所としてとてもおすすめのエリアです。
避難時にすぐ外へ出られるため、非常用リュックや靴、防災ヘルメットなどをまとめて置いておくと安心。下駄箱の横や棚の下段など、出入りの邪魔にならない位置に収納スペースを確保しましょう。
外出時や帰宅時にも意識しやすく、防災意識を日常的に保つことができます。
【おすすめ収納場所⑤】枕元にも防災グッズを収納して“すぐ使える備え”を!
夜間の地震や停電に備えて、枕元にも防災グッズを収納しておくと安心です。
懐中電灯やスリッパ、眼鏡、スマートフォンなど、すぐに使いたいものをコンパクトにまとめておきましょう。
ベッドサイドの引き出しや小さなバッグ、無印や100均のケースを活用すれば見た目もすっきり。寝室で“すぐ使える備え”をしておくことで、突然の揺れにも落ち着いて行動できます。
まとめ
災害はいつ起こるかわからないからこそ、日常の中で“すぐに使える防災収納”を意識しておくことが大切です。クローゼットやパントリー、玄関、枕元など、生活動線に合わせて収納場所を工夫しておけば、いざという時も慌てずに行動できます。
まずは、家のどこに防災グッズを置くかを見直すところからはじめてみませんか。その小さな一歩が、家族の安心を守る大きな備えにつながります。
「ここまで読んだけど、まだ疑問がある…」 「迷ってアイテムを選べない」 などお悩みでしたら、気軽にご相談ください。
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約3年近く、収納の業界に携わっています。
プライベートの時間を大切に、リラックスできるアイテムの収集が趣味です。
かわいいうさぎと毎日楽しく暮らしています。









